年々、出産年齢は高齢化し、不妊治療の需要も高まっています。今、求められる「卵巣予備能」を考慮した不妊治療と、検査値から卵巣内に残る卵子数を推定できると注目されているアンチミューラリアンホルモン(anti-Müllerian hormone:AMH)の話題を中心に、不妊治療のエキスパートの先生方に討論いただきました。
■司会
浅田 義正 先生(医療法人 浅田レディースクリニック 理事長)
■出席者
齊藤 英和 先生
(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 副センター長)
臼井 彰 先生
(医療法人社団 ひとみ会 臼井医院 不妊治療センター 院長)
AMHとは、卵巣内に保存されている原始卵胞のうち、排卵に向けていくつかの候補卵子が発育し始める際に分泌されるホルモンです。つまり、AMH値を計測することで、卵巣に残された卵子の数の目安(卵巣予備能)を推測することができます。AMH値は簡単な血液検査で測定ができ、卵巣に残された卵子の数が多いと値が高くなり、少ないと低くなると考えられています。