足立病院における不妊治療のアプローチ、患者さんとの接し方など、治療の理念と方針についてお伺いしました。
中山 貴弘 先生(医療法人財団今井会 足立病院 副院長/生殖内分泌医療センター長)
不妊治療に取り組む専門施設を訪ね、臨床の最前線をレポートする「産婦人科医の視点 THE VIEWPOINT」。今回は1902年の創設以来、100余年にわたり多くの女性の出産をサポートし、現在では年間約1,700件と京都市内では突出した分娩数を誇る足立病院を訪ねました。
女性の生涯にわたる総合的なサポートを基本理念に掲げる足立病院の取り組み、さらに2014年より導入したAMH検査の臨床での活用の実際について、生殖内分泌医療センター長である中山貴弘先生に伺いました。
AMHとは、卵巣内に保存されている原始卵胞のうち、排卵に向けていくつかの候補卵子が発育し始める際に分泌されるホルモンです。つまり、AMH値を計測することで、卵巣に残された卵子の数の目安(卵巣予備能)を推測することができます。AMH値は簡単な血液検査で測定ができ、卵巣に残された卵子の数が多いと値が高くなり、少ないと低くなると考えられています。